《 当院院長が思う、かわいそうな患者さんのお話です。》
ある個人のお話ではなく、似たような事例を混成しています。長文を少しでも短くするため、様々な角度からの解説はあえて記載せず、一般の読者が理解できるように構成しています。医療関係者の方には情報不足だと思いますが悪しからず。
深夜に川越救急クリニックへ救急車で搬送されてきた患者さんです。
ある高齢患者さんでした。
骨折があったため、当院院長へ整復固定依頼の連絡があり、当院へ案内するため患者さんを迎えに行きました。
レントゲンを確認すると、整形外科では手術と判定されるほどの重篤な骨折でした。
しかし、当院院長の知識・技術・経験をもってすれば保存療法で綺麗に治せます。
(ちなみに、手術の方がキレイに早く治ると思っている方は完全に先入観ですよ。細かい話は長くなるので割愛します。しっかり聞きたい方は骨折した時に当院へお越しください。)
患者さんが手術ではなく治してほしいとの希望があり、当院へ通院するとのことでしたので、当院で管理するための整復固定を施しました。
後日レントゲン検査すると、骨折のズレが全く分からないほど綺麗に戻っていました。
その後、来院するはずの日に患者さんが来ません。
高齢ですし骨折後の体調不良で自宅で何かあってはと心配になり、受付終了後に患者さんの自宅へ電話をしてみました。
すると、本人ではなく患者さんの娘さんが出ました。
本人はもう寝ているとのことでしたので、今日の来院が無かったので、状態の確認をするために電話したことを伝えました。
すると、娘『今日、ちゃんとした整形外科で診てもらいに行きました。そちらの接骨院には行きません。』との回答がきました。
んんん。。。ここから院長は気分が良くありません。
いろいろとやり取りがあったのですが、要約して箇条書きにします。カッコ内は院長の考え。
①柔道整復師より医師を信用している。(資格で信用度に差をつけるのは早計だと思います)
②手術の方が早く治る。(無知からくる勘違い。誰が治すかが肝心)
③以前に別の接骨院にかかった時に見落としがあった。(当院と関係ないので論外です)
上記を理由に他院へ受診されました。他院受診は患者さんの権利なので良いのですが、話を聞いていると、本人ではなく娘さんの独断のようです。
このように勝手に転院してしまうと、骨折や脱臼などのケガの場合、整復固定処置が終了している状態で診察を受けることになりますね。ここで撮影したレントゲンは当院院長が処置した後の状態ですよね。はたして正しい診断・治療ができるのでしょうか?だって、どの程度ズレていたかも、どうやって整復して、その固定をしているのかもわからないのですよ。
そして、その整形外科の診察の結果を伺うと、『レントゲンとCTの検査をしたが、手術をするかどうかはもう少し検討してみましょう』と言われたとのことです。
ん・・・おかしいと思いませんか?すぐに手術の有無(すなわち治療方針)が決定できないのはなぜだと思いますか?
それは、当院院長の整復が整形外科医の常識を超えているからです。
骨折があまりに綺麗に戻ってしまっているので、折れた時からそれほどズレていないと思われたのでしょう。
もし、折れてすぐ受診していれば即答で手術になっているはずです。
または、当院で整復固定したのち、最初のレントゲンと紹介状を持って、しっかりとした手順で転院していたとしても、折れていた最初のレントゲンも見ますので、今綺麗に戻っていても、これだけの骨折だからそのうちズレるから手術してしまおうと判断されたでしょう。(整復固定後に手術されてしまう事例は過去に何度も経験しています。そのため、僕はこの院を開設したのです。)
整形外科医の『もう少し検討してみましょう』の真意は、もう少し様子を見てズレてきたら途中で手術しようという治療計画を表していると思います。
この治療計画は経過観察という名で放置をしていることに気づきましょう。
ズレないような保存療法のノウハウを整形外科は有していません。
なぜなら整形外科は“外科”だからです。手術という専門ノウハウをもつ整形外科医が、保存療法のノウハウも専門だったら変ですよね?どっちの専門なのとなりますよね。
このことに多くの人は気づいていません。というより、わからないし、知らないですよね。
だから知らないということは危険なのです。
このような事例から当院院長(僕)の意見を書いてみます。
①当院院長の整復固定後から手術しないで経過を診るのであれば、そこへ通う必要はなんですか?他人のふんどしで相撲をとる状態の治療が本人以上であるわけないでしょ。そもそも、現状で手術回避できているのは誰が処置したからですか?
②他人のふんどしだから管理の仕方がわからなくて途中でズレてきて、『ほらやっぱり手術が必要だった』と説明されては、患者さんや家族は僕に対して『危うく騙されるところだった』と思ってしまう人もいるかもしれない。
③当院へ通院する予定の骨折の場合は加療できるように固定に加工を施している。これが、勝手に他院へ行かれては、そちらで意図を理解されず否定をされてしまう場合があったり、固定を変更されてしまう場合があり、なんともやるせない気分になる。
④他人のふんどしではなく整形外科医らしく手術するのであれば、この患者さんは僕の処置から手術へ切り替わるため、一番すんなりいくのである。しかし、レントゲン経過を診るだけの中途半端な保存(僕の処置以後は放置)療法をされたのでは、僕としては予後が悪かったり、経過が長かったりしたときに責任転嫁されかねない。これによって、また保存療法は手術より劣ると思う人が増えてしまう。
⑤整形外科における保存療法は真の保存療法ではないのです。保存療法には①何もしなくてもなんとなく治るもの、②何かしなければ悪化してしまうもの、の2通りがあります。②を正しく行えることが真の保存療法なのです。
⑥家族が出てくると、手術を勧めたがる人がいるが自分がその立場でもそうするのでしょうかね。
このような事例はごくまれに発生してしまいます。
はたして一番かわいそうなのは誰でしょうか?
僕の治療を必要としてくれていた患者さんはもちろんですが、
僕はこの娘さんが一番可哀そう(不憫)だと思います。
自分の判断は正しいと思い込み、僕の話に耳を傾けず、高齢の母親に入院・全身麻酔・手術・点滴等を受けさせようとしている。
ちなみに今回の骨折手術の場合は1年後くらいに金属プレートを抜かなければならない症例であり、もう一度入院・全身麻酔・手術・点滴等を受けなければならない。
可哀そうな人でした。
接骨院より整形外科を信用するという考え方は個人の自由なので良いと思いますが、今回は患者さん本人の考えではないところが問題なのです。娘さんが治療に当たる僕個人の能力や経験を理解できず、ただ信じているからという理由で整形外科へ転院したのです。
別にその整形外科医と娘さんが個人的に信頼関係があるわけではなく、整形外科看板が好きなようです。
整形外科の中でも専門分野が分かれていて、今回の骨折治療に関して得意ではない医師や経験の少ない若手医師であっても、この娘さんは整形外科に診てもらっているということで満足するのでしょう。治すという結果よりも整形外科で診てもらうことが優先という思考回路ですね。整形外科なら接骨院より骨折は治せて当然という先入観が強いようです。
患者さん本人が接骨院より整形外科を信用しているのであれば、僕は何も言いませんし、そもそもこのようなケースにはなっていないわけです。
娘さんが親の気持ちを無視して整形外科に診せることで満足していることが僕にはとても気持ちが悪いのです。
手術適応の骨折を僕のように保存療法で治せる柔道整復師が非常に稀なので、信じられない気持ちはわかります。ただ、冷静に情報を比較できない人はこのような判断をしてしまいがちです。特に中途半端に医療関係者であったりすると、思い込みが強いです。
家族(特に高齢の親を持つ子)が初診時に同席せず、患者さんのみで治療方針を決めると、帰宅後に家族が患者さんの意向を尊重せずにこのような事例を起こす場合があります。
誤解されないように記載しておきますが、僕は整形外科の手術のすべてを否定したり必要ないと言っているわけではありません。人工関節や先天性奇形や骨軟部腫瘍や開放性骨折(折れた骨が皮膚を突き破るもの)の手術は整形外科でなければ治せないものです。大いに敬意を払っています。
ただし、骨折治療に関しては意見が割れる部分は存在するわけで、整形外科同士でも意見が割れる場合がありますから、今回のような表現をさせていただきました。
川越QQ接骨院
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